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『恋愛しょーとしょーと(第73話)』のサムネイル

オリジナル恋愛短編漫画『恋愛しょーとしょーと』。

今回はInstagramで話題の漫画家・胡月さんが描く、会社の先輩の“お手入れ”をするOLちゃんのお話です♪

第73話:隅々まで手入れして

「ありがとう、あとはこっちでやっておくよ」 ――人好きのする笑顔でそう言う、面倒見が良く皆から慕われる先輩が、私から資料を受け取るその指を、じっと見つめる。 「……」 「ん?どうした?」

「あぁ、資料に不備が無いか心配か?大丈夫、見つけたらこっちで直しておくよ」 「あ、いや、そうじゃなくて…待ってください、確かこの辺に……あった!!」 「?」

――いつも一方的に助けてもらってばかりの先輩。 「絆創膏です。指先、ささくれて血が出てるみたいなので」 ――そんな先輩に助力できたことが、 「え、本当だ、ありがとう」 ――なんだかた新鮮で嬉しかった。

――数日後…。 「…なんだ?もう血は出てないぞ?」 「…確かに値は出てないですが…」 「手、出してください」 「え?…ハンドクリーム?」 「はい、まだささくれてるので、放っておくと、またひび割れますよ」 「そういうもんか…」

「ええと…塗り広げればいいんだな?」 ――…なんて言いながら手の甲だけを使って広い面に雑に伸ばすものだから、ついついその手をとって、指先に擦り込むように馴染ませる。 「もう、ささくれてるのは指先なんですから、ちゃんと先まで塗って下さい」 「ああ、確かに」 ――人には気を配るくせに、自分のこととなると存外、雑なようだ。

――それからと言うもの、気付けば先輩の身の回りの手入れをするのが、すっかり日課になっていた。髪がはねていれば前髪用のマスカラを通してあげるし、唇が切れていれば、家に余っているリップバームをあげた。 ――最初こそ、 「人に世話されるのは慣れないな」 ――なんて居心地が悪そうにしていたが、毎日どこかしらの手入れをする私に、今ではすっかり慣れたようだ。

――そんな日々が功をなし、 「よしっ!!もう手入れが必要な所は無さそうです!!達成感」 ――数週間で先輩は、完璧に手入れの行き届いた状態になった。なんだか誇らしい気分だ。 「え、………最近爪が割れがちなんだよな」

「えっ、うそ⁉」 ――何度言っても面でしか広げない先輩に代わって、毎日爪まで保湿を欠かさなかったはずなのに… 「…って、割れてないじゃないですか!!なんなんですか!!」 「あはは」

「世話されるのも、案外いい気分だなと思ってさ」 ※きゅ(手を握る) 「これからも頼むよ、な?」

先輩をお手入れする日々は、もうしばらく続きそう……♡

『恋愛しょーとしょーと』は週一で更新中♪

他のお話もぜひ読んでみてくださいね!

※『恋愛しょーとしょーと』を 1話から読む

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